HOME>スポンサー広告

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
HOME>読んだ本

プシュケの涙

プシュケの涙 (電撃文庫)プシュケの涙 (電撃文庫)
(2009/01/07)
柴村 仁

商品詳細を見る


「こうして言葉にしてみると…すごく陳腐だ。おかしいよね。笑っていいよ」「笑わないよ。笑っていいことじゃないだろう」…あなたがそう言ってくれたから、私はここにいる―あなたのそばは、呼吸がしやすい。ここにいれば、私は安らかだった。だから私は、あなたのために絵を描こう。夏休み、一人の少女が校舎の四階から飛び降りて自殺した。彼女はなぜそんなことをしたのか?その謎を探るため、二人の少年が動き始めた。一人は、飛び降りるまさにその瞬間を目撃した榎戸川。うまくいかないことばかりで鬱々としてる受験生。もう一人は“変人”由良。何を考えているかよく分からない…そんな二人が導き出した真実は、残酷なまでに切なく、身を滅ぼすほどに愛しい。

やばい…これはやばい。こんなにも胸が苦しくなる物語は本当に久しぶりだ。

事件はクラスで少し浮いていた少女、吉野彼方の自殺から始まる。
髪はボサボサ、普段から奇行や変な言動で知られるが実は男前な由良。そんな彼に付き纏われ嫌々ながら吉野彼方自殺の真相を調査し始めた平凡な高校生、榎戸川。

徐々に明らかになっていく事件の真相とそれに付随した明確で異様な悪意。
なぜ由良は自殺の真相を解明したかったのか…なぜ吉野は自殺したのか…

この小説の憎いところは構成の妙。

一部では吉野彼方の自殺の謎解き、そして二部で自殺した少女が生前何を思い、どのように生きたかが生き生きと描かれている。

生き生きと描かれているからこそたまらない、胸が苦しくなる。

些細なことでクラスからも家からも孤立してしまった彼女が由良と出会い、そして徐々に触れ合って心を開いていく過程は本当に暖かくほのぼのとした物語。
しかし第一部を読んでいるからこそ分かる。二人の物語がそこから続くことは永遠に有り得ないということを。

吐き気がするような悪意と表紙の水彩画のような透明感をあわせ持った稀有な物語。苦しいなぁ…これは。

ラノベにしては重過ぎるものの非常に完成度の高い作品だと思う。胸が抉られるような思いを厭わないのであれば是非読んでみて欲しい。

この記事のトラックバックURL

http://coldweb.blog62.fc2.com/tb.php/136-f70d3df6

コメント

コメントする

管理者にだけ表示を許可する

 

Template Designed by めもらんだむ RSS
special thanks: Sky RuinsDW99 : aqua_3cpl Customized Version】


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。